レヂテックスでは水性接着剤以外のソリューション開発も行っています
24/11/14
当社は30年の製造実績から幅広い水溶性接着剤・水系エマルジョン由来の接着剤に強みを持っており、
多くのお客様に信頼いただいてきました。
水性接着剤はその安全性、環境への配慮、扱いやすさなどから幅広い領域・分野で活用されています。
しかし、接着においてすべてのニーズに応えられるわけではありません。
特に、高速硬化や特定の素材への強力な接着が必要なケース、
耐水性や耐熱性が求められる環境では、水性接着剤での接着に限界があります。
こうした分野や条件での接着剤をお求めになる問い合わせが近年増加しており、
当社もそれに応えるべく、新たなソリューションの開発に取り組んでいます。
UV接着剤
当社が開発に取り組んでいる接着剤の一つが「UV接着剤」です。
UV接着剤は、紫外線(UV光)によって硬化する「反応硬化」タイプの接着剤で、非常に短時間で硬化できるのが特徴です。
これにより、従来の水性接着剤では対応できなかった高精度での接着や、
水性接着剤では十分な接着強度が得られなかった金属、プラスチック、ガラス等の領域でも
実用可能な接着を行うことができます。
水性接着剤とUV接着剤の比較
水性接着剤とUV接着剤を比較した際の特徴は下記のようになります。
大きく異なった特徴・得意とする分野を持つため、これまで水性接着剤でのソリューション提供が難しかったお客様にも
UV接着剤を利用したご提案ができると考えております。
水性接着剤
強み
- 疑似接着(圧力によって接着でき、剥離後再接着しない接着剤。圧着はがき等に利用)
- 取り扱い時の安全性(労働安全衛生上の懸念が少ない、引火リスクが少ない)
弱み
- 塗布量の調整が難しい(水分を含むため)
- 接着力の低さ(素材相性を選ぶ・多用途接着剤と比較して限定的な利用)
- 乾燥工程(工業的な生産において乾燥設備を必要とする)
UV接着剤
強み
- 固形分100%の為、少ない塗布量で充分な接着強度が得られる。
- 多用途(金属・プラスチック・ガラス等の接着性が良い・耐水・耐熱性に優れる)
- 高い生産性(短時間の硬化・塗布量の管理が容易・製造ラインの自動化が可能)
- 製造環境の最適化により工程全体でのコストダウンが可能
弱み
- 素材形状(接着に光が必要、影になる場所は接着できない)
- 専用設備(UV照射装置、ディスペンサー等の塗工機が必要)
- 価格(液価格そのものは他の接着剤と比較し高価)
- 取り扱い時の安定性(皮膚・目刺激性が強い、保管状況によって自然硬化の可能性あり)
接着力と価格の比較
現在レヂテックスが主にご提供している水系接着剤は、環境対応に優れる代わりに接着力が限定的になる事が多い接着剤です。
一方UV硬化の接着力は非常に高く、その他の接着剤ではむずかしい条件や用途でも接着が可能な強い接着力を持っています。しかし、専用の設備が必要になることもあってその分高価になる傾向にあります。
UV接着剤の利用シーン
一般的にUV接着剤は電子機器や精密部品等の接着に用いられていますが、現在当社では下記のような分野でのUV接着剤のご提供を準備しております。
もしこれらの分野でソリューションをご検討であればぜひ当社にご相談くださいませ。
- 金属やガラス基材との接着
(ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系の接着剤) - 接着剤の離型紙として使用(剥離ニス)
- 表面コーティング用途
- 金属製品のネジゆるみ止め(嫌気性接着剤)
レヂテックスの強み ・環境対応について
レヂテックスでは水系接着剤開発で培った環境対応(作業環境の改善・環境負荷の低減)があり、UV接着剤の開発でもこれまでの知見を活かした次のような開発を行うことができます。
- VOC(揮発性有機化合物)非含有原料:
人体に有害な化合物を含まない、作業環境や大気汚染の原因とならない接着剤 - 天然由来原料:
環境負荷を軽減する石油系合成原料を利用しない接着剤 - FDA(米国食品医療薬品局)収載原料:
食品や医薬品に使用できる安全性の高い原料を利用した接着剤 - 容器包装ポジティブリスト対応原料:
食品包装に使用する材料として安全性が評価された物質を利用した接着剤
また、当社にはこれまで蓄積してきた水性接着剤の技術があり、多様な化学原料・素材に関する知見を持っております。
あわせて、石油缶1缶からの小ロット対応、大手メーカーでは対応できない細かな個別対応を得意としており、
UV接着剤を利用したソリューションが加わることで、より幅広くお客様の需要にお応えすることができると考えております。
もし、UV接着剤にご興味のある方や、具体的なご相談を希望される方がいらっしゃいましたら、
ぜひお気軽にお問い合わせください。お客様に最適な提案をさせていただきます。