レヂテックスの低臭天然ゴムラテックス「ULACOL」
24/01/31
SDGsやカーボンニュートラルへの意識の高まりもあり
非石油原料を主成分とした「天然ゴムラテックス」が注目されています。
こちらでは、当社の開発した低臭ラテックス「ULACOL」の特長と利用例をご紹介します。
天然ゴムラテックスの課題点
天然ゴムラテックスは、ゴムノキから取れた樹液によって構成されており
そのままの状態では次第に凝固しますが、保存剤の添加により液状の安定性を保っています。
一般的な保存剤として、アンモニアを加えたものが上市されており、その含有量で下記の通り大別されます。
- HA-LATEX:アンモニア分、約0.70%含有
- LA-LATEX:アンモニア分、約0.25%含有
これらのラテックスは工業用途や雑貨品等で広く利用されていますが、
液剤に含まれるアンモニアの刺激臭は、使用工程上次のような例で問題となることがあります。
- アンモニアの揮発による臭気の発生
- 作業環境の悪化
- 眼刺激や皮膚刺激
このような問題を軽減するためレヂテックスでは、天然ゴムラテックスのアンモニア低減および安定化に対する研究を進めました。
その結果、ほとんどアンモニア臭を感じない、天然ゴムラテックス「ULACOL(ウラコル)」の開発に成功し、製品としてご提供するとともに、特許も取得しております。(特許第4662121号)
ULACOLの特長
ULACOLは、アンモニア分をLA-LATEXの半分以下である0.1%程度に減量しつつ安定させた「超低アンモニアの天然ゴムラテックス」です。
通常、保存剤のアンモニア分を減らすことにより、品質の悪化、液剤の不安定化、腐敗などの弊害が起こりえますが、品質向上に寄与する製造手法、安定剤の選定を突き詰めた結果、これらの弊害を解消した製品を生み出すことができました。
ULACOLは、通常の天然ゴムラテックスと比較して、このようなメリットがあります。
- 刺激臭が少ないため、作業環境の改善が見込める
- 目や皮膚への刺激が少なく、人体に対して比較的安全に取り扱える
- アンモニアレスが求められる接着剤、塗料、インク等の原料として使いやすい
さらに、2種類の改質品もご用意しており、次のような分野での利用が可能です。
- 前加硫ラテックス(PC-ULA):低アンモニアが要求される用途、樹脂成型品
- MMAグラフト体(MG-ULA):低アンモニアが要求される用途、接着剤原料
※こちらの2製品は開発品であり、常にサンプル供給できるものではありません。
※使用数量が多い場合に、要件に適しているか判断を踏まえて、対応いたします。
ULACOLの化学的性質等はこちらのページでご紹介しています
» ULACOL製品ページへ
ULACOLの利用例
ULACOLのご利用例としては次のようなものがあります。
- ボール製造用の接着剤
- 住宅用シーリング剤の構成原料
- 充填剤と混合し、天然ゴム複合コンパウンドの作成
なおULACOLには通常の天然ゴムラテックスと比べ、次のようなデメリットもございます。
- 液剤安定性が低い(3~4ヶ月以上の保管が困難な場合がある)
- 機械的な安定性が低く、機械での塗工適正が落ちる傾向が見られる
そのため、ご利用を検討される際は次の点にご留意いただければ幸いでございます。
- 配合原料として使用する場合は、保管安定性の事前評価
- 機械で塗工する場合は、塗工適正の事前確認
また、当社ではULACOLについても製品のカスタマイズが可能です。
カスタマイズの例:
- ユーザー支給材料との配合、混合体の開発
- 粘度の調整、添加剤の配合による液安定性の向上
- ULACOLを主剤とした接着剤、コーティング剤の開発
ご相談いただければお客様に沿ったソリューションをご提案させていただいております。
詳しい内容については、お気軽にお問い合わせくださいませ。
天然ゴムラテックス製品ならレヂテックスへ
今後も、環境意識に対する考え方のアップデートが想定され、天然ゴムラテックスへの注目は高まると考えられます。レヂテックスは天然ゴムラテックス製品開発のパイオニアとして皆様のプロジェクトをサポートいたしますので、ぜひ当社のソリューションをご用命ください。